マイスターインタビュー

マイスターインタビュー

星 隆行

何があっても五年は続ける
「適職を探した」のではなく
「適職にしよう」という気持ちでした

建築現場の花形ともいわれる鳶。現場に最初に乗り込み、足場や手すりを組む仮設鳶、高層ビルのような鉄骨建築の現場で働く鉄骨鳶、橋や鉄塔といった大規模工事を行う橋梁鳶など、さまざまに分類されています。

あまり熱い話ができないんで、参考になるのか心配なんですが(笑)。仕事に就いたのも、学校の先生に今の会社を勧められたのがきっかけですし、鉄骨鳶になったのも希望したとかではなく、仮設から鉄骨に異動があってそのまま続けて、今に至ります。

体力は人並みでしたから、最初はキツいの一言。それでも「五年間は続ける」と決心して入職したので、そこだけは絶対達成するぞという意地で頑張ってきました。

鳶って、重たいものを運んだり、高いところにあがったりというイメージが強いですよね。自分も新人の頃は、表面的なことしか見えていませんでした。でも仕事を覚えるうちに、見えない部分にある細かい計算や、職人ならではの工夫に気づくようになった。「鳶ってめちゃくちゃ考えること多いんだな」と発見してから、仕事がリアルに面白くなり、見えるものが変わってきました。「五年間」という意地がなければ、たどり着けなかったでしょうね。

マイスターを取得したい気持ちはずっとあって、一昨年ジュニアマイスターに認定していただきました。その日から何かが変わるわけではありませんが「資格にふさわしいように、ちゃんとしなきゃな」という自覚は常に持っています。まだマイスター、シニアマイスター、グランマイスターと先があるので、一つずつステップアップしていこうかと。自分がなりたいのは、芯は強いけど、柔軟でもある職人です。仕事をする上で、こだわりは大切だけど、こうじゃなきゃできないと突っぱねるのはプロじゃない。人の意見を聞ける職人のところには、多くの人が集まりますから。

将来については、自分が信頼信用のおける仲間たちとチームを作ってやりがいのある仕事にチャレンジしたいです。
仕事を始めて十六年になりますが、鳶がようやく自分の体に馴染んだ適職に育ってきたかなと思っています。

マイスター

協力会社 部長 嶋﨑 勝己さん・ジュニアマイスター 星 隆行さん