マイスター座談会
10年続けられる職場 そしてさらに10年続けたくなる職場を目指して

「マイスターを目指したい」そんな目標を持ってもらうために自分たちができることは

高い技術力を持ち、職人のお手本となることが期待されるマイスター。「自分もああなりたい」と若手の目標になることは、マイスターにとって何よりの喜びと言えるでしょう。第二部は神谷本店長、小野副本店長をお招きし、マイスターの担うべき役割について、さらに議論を進めました。

「そのステッカーなんですか?」
小さなきっかけから興味を持ってもらえたら

「日頃はありがとうございます。私どもと皆さん、win-winの関係を築くため、そして皆さんが十全に仕事に打ち込んでいただける環境を作るには、どうしたらよいか。マイスターの皆さんを中心に、効率よくよい仕事をしていくために、今やるべきことは何か。今日はそのようなご意見を伺う大切な機会だと思っています。どうぞ忌憚のないお話を聞かせてください」。
神谷本店長のご挨拶を頂戴し、第二部がスタートしました。

2022年新規認定マイスターから、従来と比較して、より柔軟な評価方法へ。現場をよく知る作業所の声を重視するよう改定されました。若手のやりがい・目標づくりの一つとして、マイスター制度が活用できたらというのは、皆さんに共通する思いのようです。では、そもそもマイスターの認知度についてはどうでしょうか。

「ヘルメットにステッカーを貼っていると"それはなんですか?"って聞かれることありますよ。まだ知らない人も多いかもしれないですね」
「わざわざ自分から言うものでもないんですけど、やっぱりステッカーを見て声をかけられるかな。最近は知っている人も増えてきた印象だけれど、広く知られている気はしないですね。説明すると"うらやましいですね。いいな。なりたいな”という人もいれば"なんだか面倒そうだね"と言われることも。"メリットはたくさんあるんです。なってみたら分かりますよ”って言いますけどね(笑)」

マイスターになって、皆さんの働き方はどのように変わったのでしょうか。多かったのは自覚と責任がさらに深まったという声です。

「マイスターを持っていない人とは、違う職長でありたいという気持ちになりますよ。現場で人がやらないゴミ拾いなんかも率先してやらなくちゃとかね」
「見られている自覚があるから、まあお手本というか、悪いお手本にならないというところかな。基本的な確認を怠らない。ベテランほど、小さいことを疎かにしない姿勢を見せられたらと思っています」
「例えば、安全行動で気になる場面を見かけたとき、マイスターだとちょっと声をかけやすくなる。耳を傾けてもらえるというかね」

皆さん「いや、もちろんマイスターになる前から、やってはいることなんですけどね(笑)」と付け加えつつ、以前よりさらに――という真摯な思いが伝わります。

座談会

五年後十年後を見据え 働く姿を次世代に伝える

素材や道具の進歩に伴い「自分たちが修行した頃とは、いろいろ変わったんだな」と実感しつつ、それでも若い人に伝えたいことはたくさんあるそうです。

「今は必要とされない細かい手作業を経験しておいて損はない。それが早い段階でミスに気づく感覚を磨くことにつながる」
「"できるようになるまで手を出すな"って時代から"よし!とりあえずやってみろ!"って、どんどんやらせて、覚えさせるようになってきたでしょ。だからチャンスはたくさん転がっているはず。臆せず挑戦してほしい」
「私たちが"若い人への教え方がわからない"なんて言ってるようではダメでね。双方が歩み寄っていくことが大切じゃないかな」

前向きな意見が続いた今回の座談会。最後に、小野副本店長より、マイスターには何より重要な役割があるというお言葉をいただきました。
「マイスターがいきいきと働いている。それを見せることそのものが離職者防止につながるのではないでしょうか。マイスター制度の根本には、皆さんに誇りを持って働いてほしいという願いが込められています。皆さん、ぜひもっと輝いてください」

集まったマイスターの中には「趣味は仕事ってくらいの仕事人間ですから!」と笑う人も。マイスターが登場するインタビューからも、修行時代の苦労の中で見つけた仕事の面白さを振り返る場面が多く見られます。

マイスターから受け継がれるバトンが皆さんのもとに届くよう、これからもさまざまなアイディアを考えて参ります。一緒に頑張っていきましょう!

座談会