マイスター座談会
~頑張る人を応援する新制度 じつはマイスターのアイディアです~

サブリーダーに光を当てる新しい表彰がスタートしました

一年ぶりに行われたマイスター座談会。今回も現場を熟知し、後進の育成に力を注ぐ頼もしいベテランがそろいました。テーマは新しくスタートした二つの制度についてです。第一部では、若手を応援するために導入された「次世代リーダー表彰制度」を取り上げます。自分が通った道だから、若手を支えたい気持ちは人一倍。後輩思いのマイスターによる、熱い議論が交わされます。皆さんも"もう一人の参加者"として一緒に考えてみませんか。

「その頑張りをちゃんと見ているよ」 そんな思いがカタチに

「お忙しい中、優秀な6名のマイスターが集まってくださったことに、まず感謝申し上げます。躯体から3名、仕上げから3名とバランス良く意見が聞けるのもありがたいことです。本座談会は、作業所最前線の生の声を伺う非常に大切な機会。ここに集まる声が、具現化されていると広く知ってもらうことで、働く人のモチベーションもアップするでしょう。どうぞ忌憚のない意見を寄せてください」。

座談会は、篠原調達部長のご挨拶からスタートしました。

最初に取り上げたのは、次世代リーダー表彰制度。こちらは前回の座談会で「縁の下の力持ちのような存在であるサブリーダーの頑張りをもっと評価したい」という意見が多く寄せられたことから、スタートしました。2023年2月には初めての表彰式が行われたばかり。集まった皆さんも、この制度には大きな期待を寄せています。

「現場で働く者にとっては大歓迎の試みです。これまで表彰されるのは職長ばかりで、サブリーダーに日の当たる場面が少なかった。若手にも身近な目標が生まれれば、仕事にハリがでるでしょう」
「本当にそうですね。長期的な夢はあるのかもしれないが、あまりに遠すぎると、途中で疲れてしまうこともある(笑)。頑張れば手が届くかも知れないというようなスモールステップはあったほうがいい」
「私たちが言葉で褒めるのももちろん大切です。同時に、組織から認められることにも大きな意味がある。どちらも充実させることができれば、離職防止につながっていくはずです」
「大規模な現場になるほど、細分化されたリーダーの手助けは不可欠。そういった人をねぎらうためにも、この制度が登場してよかった」

毎回、若手をいかに育てるかといった議論は大いに盛り上がります。さまざまな意見が交わされますが、”自分が育った若い頃とは、時代が違う。これまでのやり方にこだわるつもりはない”という気持ちは共通しています。先輩として、同世代が少ない若手の職場環境をなんとか改善し、10代・20代に理解してもらえる言葉や態度で、語りかけていきたいと考えているそうです。

座談会

認められることで芽生える自覚
それはマイスターも同じです

次世代リーダー表彰制度を評価するのは、参加者自身もマイスターになることで仕事への取組が大きく変化した経験を持っているからだと言います。

「仕事に真面目に取り組むのは当たり前のことですが、やはりマイスターになって意識は変わりました。"より正確に、より丁寧に"という気持ちになりましたね」
「現場の内側外側、いつでも、誰に見られても恥ずかしくないような作業姿勢でありたいと強く思うようになりました」

次世代リーダーとして表彰されたり、ジュニアマイスターになったりした若手からも同様の変化を感じているそうです。

「現場をまわっていると、自然とゴミ拾いしている姿が見られて、成長しているなと頼もしく感じましたね。いや、うれしいものですよ」

自分のことだけで精一杯だった時期からステップアップして、全体のために何ができるかを考えられるようになれば、仕事はもっと面白くなる――。経験を積んだマイスターならではの言葉です。

新たな視点として、このような制度が、働く者をつなぐコミュニケーションのきっかけになればと期待するマイスターも。

「コロナが長引いて、”あえて他者と関わらない”というのが当たり前になってきている中、表彰は全員で喜んであげるべきことだし、共通して関心の持てる話題。”よかったな!すごいじゃないか”なんて一言で、関係が深まることもあります」
「たとえば広報に掲載される情報も、我々は目を通すけれど、若手は自分には関係ないと素通りしてしまうでしょ。ですが自分と同世代の人が取り上げられていると知ったら興味が湧く。そんなところから、情報の共有量が増えていくのが理想でしょう」

新しい制度は、多くの人が関心を持つことで、多くの役割を担う頑丈な制度へと成長していきます。次世代リーダー表彰制度が、若手の目標の一つになってほしいというのは参加者全員の思いのようです。

座談会

第二部は、皆さんも目にしたことがあるかもしれないマイスター看板がテーマ。設置の背景や、これからのマイスター制度について、話を進めていきます。

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